小学 1 年生の算数で最初の大きな山となるのが「繰り上がりのあるたし算」と「繰り下がりのあるひき算」です。「8 + 5」「13 - 6」のような問題は、頭の中で 2 段階の処理が必要になるため、それまで指で数えていたお子様にとって急に難しく感じられます。
本記事では、1 年生のお子様がつまずかずにこの単元を乗り越えるために、家庭でできる 3 つの工夫を紹介します。
コツ 1: 「10 をつくる」感覚を体で覚える
繰り上がり・繰り下がりは、突き詰めると「10 のかたまり」を意識できるかどうかにかかっています。たとえば「8 + 5」は、5 を「2 と 3」に分けて、まず 8 + 2 = 10 を作り、残りの 3 を足して 13 とします。この「10 を作る」感覚を、紙の上で計算する前にブロックやおはじきで体験するのが効果的です。
市販の「10 のかたまりブロック」や、空き箱に作った 10 マスのトレーが便利です。指でブロックを動かしながら、「あといくつで 10 になるかな?」「10 を作るには 5 を何と何に分ければいい?」を声に出して考える時間を 5 分でも作ると、抽象的な数字の操作が「具体的な動き」として身につきます。
コツ 2: さくらんぼ計算は急がない
学校では「さくらんぼ計算」(数を 2 つに分ける書き方) を習いますが、これを最初から強要するとお子様が混乱します。順序としてはまず「答えが出ること」、次に「正しい考え方ができていること」、最後に「学校の書き方に合わせること」というステップを意識してください。
おはじきや指で正しく答えが出せるようになってから、「これを紙にも書いてみよう」と促すと、さくらんぼ計算が単なる作業ではなく、自分が頭の中でやったことの「翻訳」として理解できます。
コツ 3: 間違いは「やり直し」より「もう一度くわしく」
お子様が間違えたとき、「もう一度やってごらん」と言うだけでは、同じ思考プロセスを繰り返してしまうので同じところで間違えがちです。代わりに「この問題、ブロックでもやってみよう」「指で 1 つずつ数えてみよう」と、より具体的なやり方に戻すのが有効です。
繰り上がり・繰り下がりは「速さ」よりも「確実さ」を優先する単元です。1 日 5 問でも、確実に解けた経験を積み重ねるほうが、後の「2 桁のたし算」「かけ算の九九」へとつながる土台になります。
まとめ
- 10 のかたまりを「ブロック・指」で先に体験する
- さくらんぼ計算は答えが出せるようになってから「翻訳」として書く
- 間違いは「もう一度」ではなく「より具体的なやり方に戻す」
この単元をていねいに身につければ、2 年生の「2 桁のたし算・ひき算」「かけ算の九九」がぐっと楽になります。焦らず、1 日 5 問でも「確実にできた」を積み重ねる期間として捉えてあげてください。
低学年で身につけたい「毎日少しずつ」の習慣づくりについては 「1 日 10 分」の家庭学習習慣 も合わせてご覧ください。書いた数字の桁がずれるなどケアレスミスが多いお子様には ケアレスミス対策の 3 つの習慣 が参考になります。